目覚めよ!1億2千万の羊たち!!
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#39 湾岸危機(ガルフ・クライシス)
 「1989年秋、イラクのクウェート侵攻のわずか9ヶ月前、サダム・フセインが喉から手が出るほど武器購入資金を欲しがっていたこの時期に、ブッシュ大統領はバグダッドとのパイプを太くするよう指示し、1億ドルの新たな援助に道を開く極秘の国家安全保障部門の命令書に署名した」 と、ロサンゼルス・タイムス紙上で、マリー・ワースとダグラス・フランツ両記者は書いた。
 
 さらに、「1990年7月、イラクの軍隊がクウェート市内に押し寄せる1ヶ月前という瀬戸際の時期でも、国家安全保障評議会や国務省の高官達は1億ドルの貸付金の第2回目の支払いを急いでいた」と書いた。
 
 また、「オブザーバー」紙によれば、1990年の早い時期、ブッシュはサダム政権のトップの一人に密使を遣わした。密使は「イラクはみじめな経済状況から抜け出すため、石油価格を高めに操作すべきだ」と告げたという。
 サダムは密使のアドバイスを受け入れ、部隊をクウェートの国境まで移動させた。
 
 侵攻が始まった1990年8月2日のわずか1週間前、アメリカの駐バグダッド大使エイプリル・グラスピーはサダムに対し 「例えば貴国とクウェートとの国境紛争のようなアラブ諸国間の紛争には、何ら口を差し挟むものではない」 と念を押しさえしている。
 さらに彼女はサダム・フセインに、ベーカー国務長官から託されてきた 「この問題はアメリカとは関係がない」 との伝言を伝えた。
 
 グラスピー・フセイン会談(ゴーサイン会談)の数日後、つまりイラクのクウェート侵攻のわずか3日前、中東担当の国務次官ジョン・ケリーは議会で次のような質問を受けている。
 イラクの今回の軍事行動の件で、「将来アメリカ軍を派遣せざるを得ないような取り決めや約束は何もしてないと言えるのか?」 それに対し、「全くその通り」とケリーは証言した。

 ABCのトップ海外特派員ピエール・サリンジャーとフランスのジャーナリストであるエリック・ローランが書いた「秘密書類」によれば、クウェート侵攻は1990年7月下旬に開かれた和平会談で避けられたはずであると述べている。
 イラン・イラク戦争でかかった費用を補う10億ドルの借款要請にクウェートが応じていれば、イラクも収まっていただろうという。
 
 「かなりの議論が交わされた後、(クウェート)皇太子は9億ドルの借款に原則的に応じた」とサリンジャーとローランは報じている。
 「皇太子が残りの1億ドルを与えることを拒否したのは、意図的な侮辱だとイラク側は受け取った」
 これに対し、石油で潤ったサウジアラビアは、侵攻を防ぐため大丈夫だと割って入った。残りの1億はこちらで提供しようという申し出である。

 ところが、問題が解決したかに見えたまさにその時、クウェート皇太子は、 「両国の国境をはっきりと確定する必要がある」 と両国間の最もセンシティヴな問題を持ち出した。
 侵攻に先立つ交渉が難航している最中に、クウェートの外務大臣シェイクフ・サバーフはヨルダンのフセイン国王にこう言っている。
 「サダムが国境を越えてくるなら、来させようではないか。アメリカがつまみ出してくれるだろうから」

 イラク軍はクウェート侵攻後、クウェート外務省で奪った書類の中から、クウェートの役人とCIAの会談結果を記した1989年11月22日付けの次のようなメモを発見した。
 「我々は、イラクとの国境線問題でイラク政府に圧力をかけるには、イラクの経済状態悪化を利用することが大切だという点で、アメリカ側と合意した。CIAはうまく圧力として効力をかける手段を我々に示し・・・」
 当然CIAはこの書類をニセ物と決めつけたが、会談があったこと自体は認めている。
 
 ブッシュは危機の初期において策略家に徹し、アラブ諸国をお互いにいがみ合わせた。
ヨルダンに対してブッシュは、アメリカは48時間以内は何もするつもりはないと告げたかと思うと、エジプトに対しては国務省を通じて、侵攻について「はっきりとした立場」を採らないと、今後エジプトがアメリカをあてにしてもらっては困ると脅しをかけた。

 国連では、ブッシュはある国には金を投げ与え、ある国には脅しをかけて「合同戦線」を築いた。国連の議事を報道したあるラジオ局記者によると、「イエメン大使は、もしイエメンがアメリカ主導の”武力の行使”決議に躊躇した場合、それは”最も高くつく反対票”になるだろうと告げられた」 そうだ。

 こうして、湾岸戦争への準備が着々と進められていった・・・
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